CRM:顧客関係管理

指標 略語

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客関係管理と訳され、顧客との良好な関係を維持し、顧客満足度やロイヤルティを高めることで、顧客のLTVを最大化する戦略およびそのためのツールのことです。
CRMが近年のマーケティングにおいて重要視される背景には、以下のような市場環境の変化があります。
  • 新規顧客獲得の難化とコスト増大: 市場が成熟し、競合が激化する中で、新規顧客を獲得するためのコストは高くなっている。

  • 顧客ニーズの多様化: 一律のマスマーケティングでは、個々の顧客のニーズや好みに応えることが難しくなった。

  • 既存顧客の重要性: 新規顧客を獲得するよりも、既存顧客との関係を強化し、リピート購入やアップセル・クロスセル(より高価な商品や関連商品を勧めること)を促す方が、長期的な売上向上に繋がりやすいという考え方が主流になっている。


マーケティングにおけるCRMの役割

CRMは主に、以下のような目的のために活用されます。

顧客情報の一元管理と分析
氏名、住所、購買履歴といった基本的な情報に加え、ウェブサイトの閲覧履歴、問い合わせ内容、メールの開封状況、SNSでの反応など、顧客接点でのデータを一元的に管理します。
これらのデータを分析することで、顧客の行動パターンや嗜好、ニーズを深く理解できます。

パーソナライズされたマーケティング施策
分析したデータに基づき、顧客をセグメント化し、個々の顧客に合わせたメッセージやオファーを届けます。
施策例:
  • 誕生日を登録している顧客に、バースデークーポンを自動配信する。
  • 特定の商品を購入した顧客に、その商品と関連性の高い商品の情報を届ける。
  • 最近購入がない顧客に、特別なキャンペーン情報を届けて再購入を促す。

LTVの最大化
CRMを活用することで、優良顧客を特定し、その顧客をさらにロイヤルティの高いファンに育成するための施策に注力できます。
顧客満足度を高め、離脱を防ぐことで、長期的な収益を確保することを目指します。

部門間の連携強化
CRMシステムを通じて、マーケティング部門だけでなく、営業やカスタマーサポート部門も顧客情報を共有できます。
これにより、顧客対応の一貫性が保たれ、顧客はどの部門と接しても質の高いサービスを受けられるようになります。


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