顧客の行動、思考、感情、そして企業との接点(タッチポイント)を詳細に分析し、これを図式化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。
カスタマージャーニー活用の意義
カスタマージャーニーを策定・活用する主な意義は、以下の通りです。- 顧客理解の深化: 顧客がどの段階でどのような課題やニーズを抱え、どのような感情を抱いているのかを具体的に把握できます。これにより、顧客の視点に立った戦略を立てられます。
- マーケティング施策の最適化: 各顧客接点(例: SNS、ウェブサイト、店頭)において、顧客に最適な情報やサービスを適切なタイミングで提供できるようになります。
- 部門間の連携強化: 営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、顧客と関わるすべての部署が共通の顧客理解を持つことで、一貫した顧客体験を提供できます。
- 新たなビジネスチャンスの発見: 顧客が抱える不満点や課題を特定することで、新商品や新サービスの開発、既存サービスの改善につながるヒントを見つけられます。
カスタマージャーニーとアイドマ・アイサスの法則
カスタマージャーニーに似たフレームワークにAIDMA(アイドマ)の法則やAISAS(アイサス)の法則があります。
どれも、顧客の購買プロセスを表していますが、その目的が異なります。
- AIDMA/AISASの法則は、顧客の行動プロセスをシンプルにモデル化したもの
- カスタマージャーニーは、顧客の行動だけでなく、その時の思考や感情、タッチポイントを時間軸で詳細に可視化し、改善点を見つけるための考え方
カスターマージャーニーは、AIDMA・AISASのように行動のステップを追うだけでなく、各プロセスにおける顧客の感情や思考まで踏み込んで「カスタマージャーニーマップ」という形で図式化します。
AIDMA・AISASなどの購買行動モデルは、カスタマージャーニーを構成する一部の要素として活用できるといえるでしょう。
カスタマージャーニー策定・活用の留意点
カスタマージャーニーを効果的に活用するためには、以下の点に留意する必要があります。
- ペルソナ設定の明確化: 漠然とした顧客像ではなく、特定の顧客像(ペルソナ)を詳細に設定することが不可欠です。ペルソナが曖昧だと、具体的な施策に結びつきません。
- 客観的データに基づく作成: 最初のジャーニーマップは仮説ですが、顧客インタビュー、アンケート、アクセス解析などの客観的なデータに基づいて定期的に見直し、改善していくことが重要です。
- 顧客視点の徹底: 常に企業側の都合ではなく、顧客の視点に立ってジャーニーを作成することが最も重要です。